エコ、エシカル、サスティナビリティ…。環境や労働力搾取の問題について語られることの多くなった昨今ですが、一体自分に何ができるのか。どうかしたくってもどうにもならんよと悶々とすること、ありませんか?
guesthouse Nafshaのオーナーは二人とも福島県出身。特に妻の美郷は沿岸部の出ということで、原発問題の影響を肌で感じてきました。当事者になったことで見えてきたこと。それは「いい選択」をすることの重要性と、何よりそれを「続けること」の大切さです。「いい選択を続ける」ためには、空気を吸うかのごとく、当たり前にそのことを“習慣化”するのが一番。“毎日にすること”の中にいいことのエッセンスを取り込んで、多くの人が実践できれば、例え小さく見える一歩でも確固たる変化をもたらすはず…そう信じてみたくありませんか?
ということで今回は、guesthouse Nafshaで実際に選んでいる毎日の日用品をご紹介します。
食器と衣類は「ヤシノミ洗剤」で
普段の生活でよく使う食器用と衣類用の洗剤は、サラヤ株式会社の「ヤシノミ洗剤」を使っています。エコ洗剤としてはお馴染みのこのシリーズ、特にエシカル商品の少ない地方では地元のドラッグストアで購入できるという点で重宝しています。できることなら日用品こそ搬送コストをかけずに手に入れたいですものね。
みさと
メリット
- 比較的安価
ボトルでも詰め替え用でも400~500円台なので、一般的なエコ洗剤の相場からするとお財布にやさしい。 - 地方でも手に入れやすい
ドラッグストアやスーパーでも購入できるので、オンライン購入のような搬送コストがかかりません。 - 購入することで環境保全に寄与できる
売り上げの1%がヤシノミ洗剤の原材料である「パーム油」の産出地・ボルネオ島の環境保全のために使われます。
デメリット
- 洗浄力は少し弱め
「洗浄力」をうたう洗剤から比べると、油汚れの落ちにくさを感じる場合があります。汚れを落とすためにたくさん洗剤を使っては元も子もないので、古紙などで汚れを落とすなど工夫が必要そうです。
キッチンペーパー削減には「さささ和晒ロール」
料理の時に何かと必要な「キッチンペーパー」。毎度毎度の使い捨てに違和感を感じたら…ぜひ手に取ってもらいたいのがこの「さささ和晒ロール」です。綿布なので、絞ったり漉したり拭いたりできる上に、乾かせばまた使うことが出来ます。「和晒」とは、綿布を大きな釜に入れ数日間じっくり焚き上げる、昔ながらの製法で不純物を取り除いた布のこと。料理のシーンでも安心して使うことができます。
メリット
- 繰り返し使うことができる
綿布なのであらゆるシーンで活躍し、乾かすことで繰り返し使うことができます。 - キッチンペーパーの使用頻度を減らせる
「ちょっと拭き」などで使用すれば、キッチンペーパーの出番を減らせて経済的かつエコです。
デメリット
- 毎日使うには、少しお高い?
1ロール(7m)で2400円程するので、キッチンペーパー感覚で沢山使ってしまうと高コストになってしまいます。 - 衛生面が気になる?
繰り返し使える、と言っても使い方によってはそう何度も使用しにくい場合もあります。はじめは野菜拭きなどの軽い使用からはじめて、段々と強い汚れ落としなどにしていくなど、「おさがり」の仕方に工夫が必要そうです。
みさと
ラップは「シリコンラップ」で使い捨てなし
キッチン用品使い捨ての代表と言っていいのが「ラップ」ではないでしょうか?最近ではエコを意識した“何度も使える”系のラップが充実してきていますが、ラップの最大の利点は「温められること」。熱にも強くて何度も使えるラップを求めた結果、我が家では今のところOpaceLuukの「シリコンラップ」に落ち着いています。
メリット
- 繰り返し使える
基本的に破れるまで何度でも使えるので、エコで高コスパです。 - 温められる
230℃までの耐熱性があり、レンジでもオーブンでも使えます。冷凍も‐40℃まで可。 - 安全性もテスト済み
FDA・アメリカ食品医薬品局が承認する食品シリコーンで作られているので、無毒無害、安全とされています。
デメリット
- 丸いもの以外にフィットしづらい
カップやお皿、切り口の丸い野菜などにはぴったりですが、切りかけ野菜の保存などにはフィットしづらいです。 - 水あとが気になる
使用してみて感じたのが、洗った後の「水あと」残り。別のシリコンラップを使用した際にはなかったので、少し気になりました。
野菜の保存は「蜜蝋ラップ」がベスト
「エコラップ」で真っ先に挙げられるのが、この「蜜蝋ラップ」です。可愛らしい柄のものも充実し、人気のあるこの商品。ただ温め厳禁のため、残念ながら(私の求める)ラップの性能を持ち合わせていません。とは言え、前述のシリコンラップでは満たせなかった「切りかけ野菜」の保存にはぴったりです。
メリット
- 自然素材なので安心
蜜蝋を布に染み込ませて作っているので、食品にも安心して使えます。 - 抗菌・保湿作用もある
蜜蝋には抗菌・保湿作用があるため、食品の鮮度を保ちながら保存できます。 - 布状なのでフィットしやすい
いびつな形の野菜や果物もまるっと包むことができます。
デメリット
- 何を包んだのか見えない
透明ではないので、中に何を包んだのかが見えません。 - 温められない
既述のように、温め厳禁なので電子レンジにはかけられません。あくまで保存用。
みさと
汚れ落としには水由来の「The Magic Water」
キッチンの油汚れ、テーブル拭き、お盆の除菌など、日々のあらゆる汚れにマルチに役立ってくれるのが「The Magic Water」です。この製品、なんと原料は“水”だけ。特許技術による水の電気分解により、この魔法のような効果お生み出したそうです。シュッとかけて、普段の拭き掃除で気軽に使えるアイテムです。
メリット
- 原料が水なのであらゆる場所に使える
キッチン用品はもちろん、トイレ掃除やドアノブの除菌まで。幅広く活躍します。 - 金属に使用しても錆びない
アルカリ性の水だけが抽出されているので、錆びや劣化を心配することなく、金属製品にも安心して使えます。 - 保存期間が長い
不純物を一切含んでいないので経年変化が起こりにくく、未開封の状態で5年も持つと言います。
デメリット
- 一般的なクリーナーより少しお高め
ボトルで1200円程度(詰め替え用800円程度)と若干お高め。ですが汎用性を考えればそこまでコスパは悪くないかも。
お風呂とトイレは「Murchison-Hume」一本!
お次はお風呂とトイレの洗剤。色々と試した結果、我が家では洗浄力とデザインの点で「Murchison-Hume」のクリーナーに落ち着きました。一本で両使いできる点も気に入っています。
メリット
- 植物由来だけど洗浄力も良い
石油由来成分を含まず植物由来成分のみで作られていますが、汚れもきちんと落としてくれます。 - 香りが良い
実はこれがMurchison-Humeを選ぶ一番の理由(笑)。天然のグレープフルーツのアロマで、とにかく掃除をしていても清々しいんです。 - ボトルデザインが良い
元ファッションエディターがデザインしたというボトルはポンと置いても絵になるので、収納場所にも困りません。
デメリット
- ちょっとお高い
ボトルで約2000円、詰め替え用でおよそ2500円という相場よりかなりお高めの値段設定。毎日使うものだけにちょっと勇気がいりますよね…。
歯ブラシは小さめヘッドの「made of organics」
歯ブラシもエコ生活のスターターとしてよく見られるアイテムです。竹からできたものやプラスチックフリーの製品がある中で、私たちが選んでいるのは「made of organics」の歯ブラシ。「口に入れても安心」に徹底的に向き合い、安全性と使い心地を両立しているメーカーです。
メリット
- 歯ブラシはお値ごろ
一本400円以下なので、そこまで購入のハードル高くありません。 - ヘッドが小さめで女性に使いやすい
実は市販のほとんどの歯ブラシのヘッドが大きくて使いづらい私…涙。こちらの歯ブラシは小さめヘッドで口の隅々まで届くので、女性や子供にも使いやすい。 - 全成分をチェックして安全性を磨いている
フードグレードの厳しいオーガニック認定をできるかぎり取得し、日々より安全な製品を目指しているそうです。
デメリット
- 地方では買えない
大手のデパートやオーガニックストアでのみ店頭販売しているため、地方で直接購入することが難しいのが現状。オンライン購入で送料をかけるほどの価格帯でもないので、私は都会に出た時にまとめて買っています。
みさと
シャンプー&コンディショナーは国産ブランドの「凛恋」
髪のコンディションやクセによっても変わってくると思いますが、私たちは今のところ国産ブランドの「凛恋」を愛用しています。国産植物由来の原料を使用し、トレーサビリティや地産地消を目指しているという点がセレクトポイントです。
メリット
- 「国産」のエココンシャス・シャンプー
エコ・エシカルなヘアケア用品は、まだまだ海外ブランドが主流。国内で国産の原料を積極的に使用している凛恋は、レアな存在です。 - 環境負荷の低い洗浄成分
原料だけでなく、洗浄成分も環境に配慮してつくられています。 - ボトルは植物由来のプラスチックを使用
燃やしても大気中の二酸化炭素を増やさないとされる「バイオPET」しています。
デメリット
- 最近ここいら(須賀川市)で買えなくなってきた
極めて個人的なデメリットですが 苦笑。これまでは市内のドラッグストアで購入できたのが、ここ数か月は陳列されていません…涙。なるべく近くで買いたいので、これは喫緊の課題。
みさと
エコな選択は、今の生活をより良くするためにある。
これまで見ていただいたように、私たちの選択はあくまで“無理なく”をモットーにしています。毎日続けたいから、我慢をして苦行のようにしたくはない。完璧な選択よりも、今の暮らしに役立って、環境にも作り手にも良い。そんな“三方よし”の選択をしていきたいと考えています。
ぜひみなさんにも「無理なく・無駄なく・楽しんで」、暮らしの中に“エコエッセンス”を取り入れてもらえたら嬉しいです。