不妊治療をはじめたのが2021年1月。通院をはじめてから約6ヶ月で妊娠をし、その後8週目で稽留流産。同じクリニックで人工授精まで試みましたが、色々と思うことがあって2023年3月に転院。2024年7月現在、福島県立医科大学病院にて不妊治療継続中です。
前回の【採卵編】に続き、今回は次のステップ【胚移植】について、私の経験をもとにお伝えします。
みさと
胚盤胞のグレードについて
前回の記事でも少し触れたように、受精して育った「胚盤胞」は、その状態によっていくつかのランク(グレード)に分類されます。
胚盤胞の発育段階
▶胚盤胞の発育段階は、胞胚腔の広がりの程度でクラス1から6に分類されます。
クラス1 | 胞胚腔が全体の1/2以下の初期胚盤胞 |
クラス2 | 胞胚腔が全体の1/2以上の胚盤胞 |
クラス3 | 胞胚腔が全体に広がった胚盤胞 |
クラス4 | 胞胚腔が拡大し透明帯が薄くなった拡張期胚盤胞 |
クラス5 | 透明帯より栄養芽層の一部が抜けかかった胚盤胞 |
クラス6 | 透明帯より完全に脱出した胚盤胞 |
▶クラス3以上の胚盤胞は、内細胞塊(胎児になる細胞塊)と栄養外胚葉(胎盤になる細胞塊)をそれぞれの細胞数で評価します。
みさと
胚移植の種類
胚盤胞まで培養・凍結した胚を移植することを「胚移植」と言います。胚移植の方法もいくつかありますが、ここでは私の経験した3つの移植法について触れていきます。
ホルモン補充周期
ホルモン補充周期は、ホルモン剤を使用して子宮内膜を整える方法です。ホルモン剤を用いて調整ができるためスケジュールが立てやすいので、通院回数の目処も立ちやすいのが利点です。また、月経不順などで排卵日特定が困難な場合にも適しています。一方でホルモン補充をすることで身体への負担を感じやすい場合もあります。
▶移植までの通院回数(私の場合):3回
排卵誘発誘発周期
排卵誘発周期は、排卵誘発剤を使用して排卵を確認した上で胚を移植する方法です。排卵をある程度コントロールするので、月経不順の人でかつホルモン補充ほど薬を使いたくない人に向いています。ただし、副作用として卵巣刺激症候群になる可能性があるという点がデメリットとなります。また、ホルモン補充よりはっきりと排卵日を特定はできないので、通院回数も若干増える傾向にあります。
▶移植までの通院回数(私の場合):5回
自然排卵周期
自然排卵周期とは、その名の通り自然な排卵のタイミングにあわせて移植する方法です。自身のタイミングに合わせて移植するので、ホルモン補充よりも身体への負担が少ないのが利点です。一方で排卵の時期を見定めるために小まめな通院が必要となるので、忙しい人にとってはスケジューリングがネックとなるかもしれません。
▶移植までの通院回数(私の場合):4回
みさと
胚移植当日
子宮内膜が10ミリ以上で整っていて、排卵のタイミングも目処がついたらいよいよ胚移植となります。胚移植は採卵のような痛みは起きにくいので、渡しの場合は麻酔は打ちませんでした。移植の時間も5~10分とあっという間です。
みさと
- 移植前はなるべく尿を溜めておく
尿が溜まった状態の方が子宮内がよく見えるらしい(地味に辛いが我慢…) - 移植後の夜はシャワーのみ
- ART(処置)室へ移動。
- 培養士から移植する胚の状態の説明がある。
- 膣内の洗浄後、胚移植(5~10分程度)。
- 胚移植後はベッドで横になって安静にする(20分程度)。
- 医師から移植の状況の説明を受ける。
- 注射がある場合には注射を打つ。
胚移植は、細いカテーテルを使って行われます。図で表すと以下のような感じです。
みさと
これまでの胚移植成績
2024年7月時点、私はこれまで3回の胚移植を行っています。胚移植の方法は前述の通り(3種類)で、胚の数は4個移植しています(3回音目は2個胚移植)。残念ながら着床まで至っていないのですが、残りの胚盤胞もまだあり(残り3個)、保険の適用回数の上限(6回)にも達していないため、次回も2個胚移植にトライする予定です。
- 2023年7月:4AA(1個胚移植)/ホルモン補充周期
- 2023年11月:5BA(1個胚移植)/排卵誘発周期
- 2024年5月:4AA+3AB(2個胚移植)/自然排卵周期
みさと
判定日
胚移植からおよそ2週間後に着床判定を行います。妊娠判定には尿検査と血液検査があるようですが、福島医大では尿検査を行います。ここで着床ならずの場合には、次回のスケジュールや移植方法について再び医師と相談することとなります。
みさと
私が書けるのはここまで
さて、ここまで書いてきた「胚移植」についてですが、着床に至っていない私が書けるのはここまでとなります。判定日を迎え、陰性の結果に悲しみ感じている皆さんもいることでしょう。私もその一人です。
でもこれって、もうどうしよもないんですよね(分かっていても辛いのが問題なのですが…)。正直なところ、私の場合は胚盤胞のグレードも数も良く、かつ一般的な確率では3回目の移植までに70~80%の人が着床に至ると言われている中での、3回連続陰性。この結果をどう受け止めいていいのか、まだまだ気持ちの整理がつけられていません。子宮内膜の状態も毎回検査(子宮鏡検査も)をしているし、食生活も運動習慣も、もうかれこれ2年は気をつけ続けています。でもだめなんです。こうなってはもうお手上げ、やることはやった、神のみぞ知る、という感じでしょうか。本当に命の誕生って、人間にはどうすることもできないのだと痛感しています。
私たち夫婦はまだもう少し、頑張ってみようと思います。
これを読んでくれた皆さんも、病むほど考えすぎず、でもできる範囲のやることはやって、あとはもう手放して天に委ねていくのもいいかのしれません。その時はひとりで抱えぎず、ここにもひとり頑張っている人間がいるということを思い出してもらえたら嬉しいです。
もちろん、今度はうれしい報告ができるように、私自身もめげずにいきますね!