不妊治療をはじめたのが2021年1月。通院をはじめてから約6ヶ月で妊娠をし、その後8週目で稽留流産。同じクリニックで人工授精まで試みましたが、色々と思うことがあって2023年3月に転院。2024年7月現在、福島県立医科大学病院にて不妊治療継続中です。
前回・前々回では「不妊治療」に関しての体験記を綴ってきましたが、今回は私が現在通っていでる『福島医科大学病院』の治療方針について、利用者目線でつづっていこうと思います。
みさと
全体的な印象
2023年3月から通い始めて約1年半。現時点での福島医大での印象は「とても良い」です。そもそも転院前のクリニックが最悪だったので、そこからのギャップもあると思いますが、医師由来のストレス(横柄な態度、説明不足、不信感をあおる対応 etc.)はまったくなく、気持ちよく通うことができています。その内容を少し詳しく書いていきますね。
▶医師の説明が適当、かつ丁寧に教えてくれる。
いきなり幼稚な理由に見えますが…苦笑。でもこれ、不妊治療に限らず結構できていない医師が多いのです。ただでさえ専門用語の多い不妊治療、慣れない治療を把握するのにも必死なのに、肝心の医師が言葉不足では心もとないことこの上なし。私が以前通っていたクリニックの医師は、着席さえさせてもらえずに10秒ほどで次の来院スケジュールを抑えられるだけ、なんてこともしょっちゅうでした(ひどいw)。
一方で福島医大の医師は、私が納得するまで、時には手元の資料などを用いながらきちんと説明してくれます。何より言葉選びや態度から私たち治療者を大切にしてくれていることがよく伝わり、「この人なら安心して任せられる」という信頼感を持たせてくれるのです。
医大の不妊治療の診察は、基本的に3名体制でされているので、もしかすると医師によって対応は変わってくるかもしれませんが、この「やさしく丁寧な対応」は全体の雰囲気からも感じることができます。
みさと
▶体外授精 or 顕微授精 適切な方法を選んでくれる
これは他の病院での経験がないので比較できないのですが、採卵後の授精の方法はその時の精子の状態を診て、培養士が「体外受精(ふりかけ法)」か「顕微授精」のどちらが良いかを判断し、実施してくれます。私はてっきり患者が規模した授精方法をされるものだと思っていたので、この点は心強かったです。体外受精と顕微授精では値段が結構変わるのでは…?ということも頭をよぎりましたが、福島医大の場合はそこまで差はなく(体外受精が4,200円に対し、顕微授精は10個以上で12,800円)、かつ顕微授精の方が受精率も高いということも考えると、個人的にはありがたい対応でした。
みさと
▶治療費が比較的安価…?
これもあくまでインターネット上の情報と比較してですが、思っていたよりも治療費がバカ高くない(←)印象です。これまでの私の治療実績から見ると保険適用で、1)採卵周期の全費用:約12万円(+薬代数千円)、2)胚移植周期の全費用:約4~5万円(+薬代約1万円)といった感じです。排卵や移植以外にも「子宮鏡検査」などがあるので、全体としての治療費は少し上がるのですが、2023年度の全治療費はそれでも30万円程度(初診料、夫の精液検査、AMH検査、採卵1回、胚移植2回、子宮鏡検査1回、薬代など含む)でした。また、「高額療養費制度」を使って昨年度は4万円が返ってきたので、最終的には26万円ほどがかかったことになります。
みさと
▶結果の安定しない新しい治療法は勧めない
日進月歩で新しい技術が開発されている不妊治療ですが、福島医大では「新しいから・世間で注目を浴びているから」といった理由で闇雲に取り入れることはしていない印象です。以前、なかなか着床しないことを不安に思った際に「着床前診断」について医師に質問したところ、「認知されて治療数も出てきているが、現状はあまり有用性が確証できないことも分かってきている」とのことで、「なので福島医大では取りいていない」という説明を受けました。納得です。しかも着床前診断は保険適用外。気軽にトライできる金額でもないので、こういった方針や説明は私にとっては安心できるものでした。
▶治療の進め方は〝教科書的〟
取り方によっては良くも悪くもだと思うのですが、福島医大の不妊治療はごくごく〝一般的〟な進め方だと感じています。例えば「不妊治療 スケジュール」で出てくる内容と、ほぼ同じような治療内容で進めれている、など。奇をてらっておらず、教科書的とも言えます。それを良いと捉えるか物足りないと捉えるかは人によるでしょうが、私の場合、治療内容やその根拠が良く分かるので、現状満足しています。
みさと
国の保険診療と県の補助制度
このブログを読んでくださっている方の多くはご存知かと思いますが、2022年4月より不妊治療の保険適用範囲が拡大されています。
私たち夫婦もその流れを受けての治療開始にいたったわけですが、保険適用の条件などには分かりづらいところもちらほら。
ということでここでは、不妊治療における保険適用範囲のおさらいと、福島県独自の補助制度について見ていこうと思います!
国の保険適用条件厚生労働省の不妊治療の保険適用の範囲・条件は以下の通りです。
- 体外受精などの基本治療は全て保険適用
一般不妊治療(タイミング法、人工授精)
生殖補助医療(体外授精、顕微授精)※採卵・凍結・胚移植まで一連の治療を含む。 - 窓口での負担額は治療費の3割負担
治療費が高額な場合には月額上限(高額療養費制度)も利用可。 - 年齢・回数には要件がある(体外受精・顕微授精)
40歳未満:通算6回まで ※1子ごと
40歳以上43歳未満:通算3回まで ※1子ごと
※1子ごと(12週以降の流早産も含む)にこの条件が適用される。
胚移植の保険適用上限回数を迎える前に胚盤胞がなくなってしまった場合、採卵後に再び残りの回数からの再開。 - 採卵には回数上限はない
採卵には回数上限がないですが、凍結胚が残っている場合には新たに採卵できない。
みさと
福島県の助成内容福島県の助成内容・条件(国の上限を超えた場合)は以下の通りです。
- 助成回数:通算3回まで
- 年齢:国の条件に準ずる
- 助成金額:内容によって2種類に分類(20万/10万)
※詳しくは福島県HPをご参照ください。
待ち時間の自由度ほしい、とまとめ。
以上、不妊治療シリーズ四部作でお送りしました!あくまで個人の経験ベースでのリポートとなっていますので、その点だけ差っ引いて読んでいただけるとありがたいです(笑)。福島医大に関しては、保険適用の流れ+県内に優秀(かつ人工授精以上の)不妊治療ができる施設が枯渇してるいため、常時混みあっているのが現状です。平均3時間、長い時には5時間などというときもありました。しかも気になるのが、その長い待ち時間の中、患者はずっと着席して待っているだけ。見ていると水分もとらず、トイレにも立たず、ずーっと座りっぱなしも人も多いのです。シンプルに体に悪そう…。混んでいるのは仕方がないので、もう少し待ち時間の自由度が高くなるといいなと思うのも正直なところです。
ただでさえ大変なことの多い不妊治療、少しでも心地よい治療ができるよう皆で声を出し合っていけたらいいなと思い、このシリーズのまとめといたします!
みなさん、無理しすぎずにいこうね~◎