2025年3月8日(土)、みさとの運営するエシカル系ウェブメディア『ff_私たちの交換日記』について紹介する機会をいただき、福島県郡山市主催のイベントに登壇してきました。実はこの半年間、郡山市の「インパクトスタートアップスタジオ2024(以下:ISS)」に採択され、その成果を発表する場をいただいたという形です。
今回はISSに参加した目的とその成果について、ご報告しようと思います!
みさと
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インパクトスタートアップとは
まずは、「インパクトスタートアップ」とは何か?というところから見ていきましょう!
調べてみると、『インパクトスタートアップ協会』という一般社団法人が示している定義に行き当たりました。
「社会課題の解決」を成長のエンジンと捉え、持続可能な社会の実現を目指す インパクトスタートアップの成長と拡大のため、インパクトエコノミーの発信、学びあいの場の構築、投資環境の整備、政府・行政との協創などを目指します。
つまりインパクトスタートアップとは、「社会課題の解決」と「持続可能な成長」を両立し、社会にポジティブな影響を与えることを目的とした取り組み全般のことを指すようです。また同協会では、この定義を箇条書きにして以下の3点にまとめています。
インパクトスタートアップの3要素
- 創業の背景や企業の存在意義に「社会へポジティブなインパクト(影響)を与えたい」という意志が強く組み込まれている
- 目標とするパフォーマンスに「インパクト」に関する指標がある・作ろうとしている
- インパクトの創出に関する活動を実際に行なっている
みさと
なぜISSに参加したのか?
今回、私がISSに参加を決めたのは、このWebメディアの取り組みをどう事業化できるか、チャレンジしてみたいと思ったことが理由です。一般的に利益を生みにくいとされているWebメディアで、これまで手弁当かつ手探りで続けてきた私たちの活動が、一体どこまで利益を生み、事業として成り立たせていくことができるのか(あるいはできないのか)。ある意味、実験的な挑戦でもありました。
みさと
続いては、ISSの中でも特に印象に残った講座について、ご紹介します。
“社会起業家”って、いったい何?
「インパクトスタートアップ」は知らなくとも、「社会起業家」なら耳にしたことがある、という方もいるのではないでしょうか?
私の社会起業との個人的な出合いは、2011年の東日本大震災の直後、とある書店で見つけた『社会起業家に学べ!』という今一生さんの著書(2008年/アスキー新書)でした。地元である福島県南相馬市が被災し、当時農家を営んでいた両親は避難を余儀なくされ、故郷を離れて働いていた私が「いったい自分は何をしているんだろう、何でここにいるんだろう」という、どうしようもない焦りと不安に潰されそうになっていた頃。その時に出合ったのがこの本で、はじめて私は利益第一主義ではない起業があることを知り、それが「社会起業家」と呼ばれる人たちであるということを学んだのです。
でも一方で、これまでのビジネスと社会起業の違いを明確に理解できていなかった私。なんとなく「社会にとって良いことをしている」「三方よし」の事業をまとめて“社会起業”と呼んでいたのですが、今回、ISSの講座を担当された仙台市役所職員の白川裕也さんの説明から、長年の違和感を解消することができました。
白川さんのお話によると、「これまでのビジネス」と「社会起業家」との違いは、以下のようにまとめられるそうです。
これまでのビジネスと社会起業家の違い
これまでのビジネスの特徴
- マーケットのニーズありき
- 儲かる・誰かがやる
- ビジネスとして成り立ちやすい
いっぽうで、社会起業家とはと言うと…
必要なもの
- マーケットが放置
- 儲からない・誰もやらない
- ビジネスとしての難易度が高い
みさと
これからの私たちが目指すもの
半年間の学びを踏まえて見つけた答え。それは、「私たちは変わらずに、やり続ける」ということです。「ff_私たちの交換日記」を紹介するときに必ず伝えているのが、『福島から“私たちのエシカル”を伝える』という点。この“私たちのエシカル”とあえて強調しているところに実は想いがあって、それはつまり、「エシカルのあり方って、人それぞれ違うよね」だから「“私たちなりの”エシカルをきちんと考えていこうね」ということなのです。

「ff_私たちの交換日記」のメインビジュアルは、福島県の田んぼ道で撮影。自らの足で立つ“強く、しなやかに、美しい”福島の女性をイメージ(モデル:服部奈々)。
SDGsや「持続可能な〇〇」という表現がもてはやされるようになってから、よりこの“自分たちなりの答えを見つける”ということの重要性を感じています。本来であれば社会を少しでもより良く、多くの人にとって暮らしやすいものにするためのスローガンだったはずの言葉が、みるみるうちに流行語となり、形骸化され、結局は企業イメージ(利益)アップのために使われる消耗品(語)となりつつある今。
だからこそ、「本当にそれって、“エシカル(倫理的)”なんだっけ?」という問いを、私たちは発信し続けたい。そしてそれが「メディア」という立場をとる私たちの担うべき、最も重要な役割だと感じているのです。
みさと
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