体外受精にステップアップしました【採卵編】

体外受精 ステップアップ 採卵

不妊治療をはじめたのが2021年1月。通院をはじめてから約6ヶ月で妊娠をし、その後8週目で稽留流産。同じクリニックで人工授精まで試みましたが、色々と思うことがあって2023年3月に転院。2024年7月現在、福島県立医科大学病院にて不妊治療継続中です。
前回の【不妊治療の基本編】に続き、今回はさらに詳しい体外受精【採卵】の治療内容についてお伝えしようと思います。

みさと

治療内容はあくまで私の体験なので、ご参考程度に◎通院しているのは「福島県立医科大学病院」です。

採卵の準備

体外受精をするに当たり、まずはじめに必要なのが「採卵」です。読んで字のごとく女性の卵巣から「卵胞」を採取するというもの。
通常は排卵周期(約1ヶ月)に1個ずつ育つ卵胞を、体外受精の場合にはホルモン剤などを使って複数個育てます。卵胞育成の方法もいくつかあり、それによって使用する薬も変わってきますが、これは病院の方針によるところが大きいのが現状です。
私の通っている福島医大では比較的新しく(2023年時点)、かつ採卵個数が安定している「PPOS法」を採用していて、私はその方法で採卵をしました。

採卵の様子

採卵の様子(引用元:つばきウィンズクリニック)

正直なところ、この「採卵」の卵胞の数が、その後の受精卵の数に関わってくるので、とても大切な工程。質の良い卵子をより多く採れるように、自分でも体質改善や食生活に結構気をつけているよ。

みさと

PPOS法についてはこちらをご参考ください↓

みさと

採卵にあたって治療・処方された薬は、大まかに言うと以下の通り。

採卵にむけた治療内容と通院回数

必要なもの

  • 自己注射(ゴナールエフ)※卵胞を育てるため
    月経の3日目から9日間ほど継続。自宅で打つ。
  • 病院での筋肉注射(HMG)※卵胞を育てるため
    自己注射での卵胞の育成具合を診ながら、追加で打った方がいい場合に病院で注射。私は2回ほど。
  • 血液検査 ※LH/黄体化ホルモンのチェックのため
    卵胞育成・排卵・高温期維持のために必要なホルモン、LHの値をチェックするための血液検査がありました。通院の度にあったので、合計4~5回でした。
  • 点鼻薬(ブレセリン)※排卵誘発のため
    採卵の2日前から排卵を促すために点鼻薬を使います。投与する時間がきっちり決まっている上に回数も多いので、スケジュール管理に結構気を遣いました。
ここまでの通院回数は4回でした。ここにあと、1)採卵当日と2)授精結果のお知らせの2回の通院が加わって、合計だと6回になったよ。

みさと

採卵当日

自己注射や病院での注射、そして小まめな卵胞チェックを経て迎える採卵当日。私は部分麻酔をして臨みました。麻酔をしていたので、痛みはほとんどなし。でも周りの話を聞くと痛みにも個人差があるようなので、あくまでご参考程度に…◎

みさと

採卵当日のまとめを書いておくね!

採卵当日の注意点と流れ

注意点

  • 起床時から絶食・絶水(麻酔を使うため)
  • 化粧・ネイルなしないで来院
  • パートナーも同伴(採精のため)
  • 採卵後の運転はNG
  • 採卵後の夜はシャワーのみ

当日の流れ

  • 問診票記入と医師の診察
  • 採血・点滴
  • 採卵
    1)膣内の洗浄
    2)麻酔が効いてきたら採卵(10分~20分程度)
    3)ストレッチャーでベッドへ移動
    4)2時間ほどベッドで安静にする
  • 採卵確認後、パートナーの採精
  • 安静後、採卵の結果を医師より伝えられる

授精・培養結果

採卵から1週間ほど後に、授精と培養結果が出ます。採卵数は採卵の当日にお知らせしてもらえますが、その後の授精・育成も大事なポイント。卵子の数は採れても授精・培養ならず…ということも珍しくはないそうなので、とってもドキドキするところです。もう「神のみぞ知る」の世界と言っていいでしょう。

私は採卵数9個、うち正常に授精したのが7個という結果でした。

みさと

福医大ポイント

福島医大の場合は、選択せずともすべて「顕微授精」となります。精子をピックアップして卵子に注入するという、一番手のかかる方法ですね。病院によってはふりかけ法(精子を卵子にふりかけて授精を待つ方法)との選択肢があるようです。

授精の次の「培養」の過程も二種類あるのですが(初期胚と胚盤胞)、福島医大の場合は基本的に「胚盤胞」という、授精から5日ほど経過した着床直前の状態まで育てます。また、採卵周期での胚移植(新鮮胚移植)は行わず、早くとも次の排卵周期での移植となるため、胚を凍結・保存し、融解してから移植する「凍結胚移植」となります。

みさと

採卵の合計金額

採卵にむけた準備から採卵当日、胚凍結までにかかった費用をまとめてみます。

採卵までの通院日と治療・処方内容、費用

5月9日 ゴナールエフ処方、HMG注射、LH血液検査 14,580円
5月12日 HMG注射、LH血液検査 2,510円
5月15日 HMG注射、LH血液検査 2,270円
5月17日 ブレセリン点鼻薬処方、LH血液検査 1,790円
5月19日 点滴、血液検査 ※採卵当日 4,520円
5月26日 採卵にかかる費用全般(9個)=培養、凍結、管理 94,720円

合計:120,390円(+別途薬代)

みさと

培養や凍結の金額に関しては、採卵・受精卵の数によって変わってきます(個数が多いほど高い)。

胚盤胞にはグレードがある

胚盤胞まで育った卵は、その状態によっていくつかのランク(グレード)に分類されます。次のステップの「胚移植」では、グレードの良い胚盤胞から順に移植されることとなります。ただしこのグレード、現在の医療では、あくまで〝見た目〟での判断となるため、細胞レベルでの良し悪しの状態は分からないのが現状。きれいに育っているように見える胚盤胞でも、なかなか着床しないといったことが起こるのは、こういったことも原因にあるのだとか。新しい技術として、胚盤胞から一部の細胞を採取して染色体や遺伝子検査を行い、異常のない胚盤胞を移植するという「着床前診断」も出てきていますが、その信頼性が確立されていないとして、福島医大では採用されていません(2024年6月現在)。

次の回では、この「胚のグレード」について触れながら、次のステップ「胚移植」について、私の経験から綴っていきます◎

みさと

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