地域おこし協力隊って、なに?

みなさんは、「地域おこし協力隊」という制度を知っていますか?地方移住への注目度が高まっている今、「聞いたことある!」という人も多いかもしれません。私たちの暮らす福島県須賀川市でも、数年前からこの地域おこし協力隊を受け入れているようです。一体彼らはどんな活動をしているのでしょう?
今回は地方移住を考えている人の仕事の選択肢としての「地域おこし協力隊」について、調べてみます。

地域おこし協力隊とは?

まずはこの制度について、概要を見てみましょう。

地域おこし協力隊の概要

  • 総務省による「地域力創造」の制度として、2009年よりスタート。
  • 都市部から人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に移住し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る。※総務省『地域おこし協力隊HP』より。
  • 受入れは各地方自治体で、待遇や活動内容は自治体ごとに異なる。任期はおおむね3年。

あきら

つまりは“都市部”から“地方”へ移住して、活躍する人を増やすための国の制度だね。

どんな人が向いている?向いない?

みさと

ここからは完全な私見だけど、私たちの考える「協力隊はこんな人に向いている!」というお話。

協力隊に向いている人

  • 具体的に移住したい土地が決まっている人
    もし具体的な移住先が決まっているなら、その自治体で地域おこし協力隊の制度があるかを調べてみるとGOOD。
  • 移住先で起業やフリーランスなどの働き方を考えている人
    移住先で転職や就職以外の道(起業やフリーランス活動)を考える場合には、まず協力隊として地域を知ることから始めると良いと思います。
  • 専門スキルを持っている人
    地方で活躍するにも「専門スキル」があると強みになります。都会では飽和状態の市場でも、地方では未開拓な分野もまだまだ。自分のスキルで地域の役に立てるかも…!地方で重宝されそうなスキルは、こちら

みさと

逆にこんな人は困るかな…

こんな人はちょっと…(困)

  • なんとなく「田舎暮らししたいな~」と思っている人
    典型的な協力隊失敗例。都会の人が癒しを求めて田舎に移住し、イメージとのギャップで疲弊するパターン。
  • 移住後の具体的な活動目的や任期後のプランのない人
    待遇や条件だけを当てにして特に活動目的もなく移住してくる人は、移住後の初動が遅れ、結局3年間の任期があっという間に過ぎてしまう、ということになりかねません。
  • 「地方に教えてやっか」と謎の上から目線で来る人
    そんな人いるの…?!と思うかもしれませんが、驚くべきことに都会からやってくる人にこういった「無意識の差別」があることは意外と多のです。そしてそういった態度は地方の人も敏感に察知するものです。

あきら

あくまで自分たちの経験則だけど、意外とこうゆうパターンあるんだよね…。
注意

たとえ「これがやりたい!」と思っても、受け入れ先の地方自治体によって定められている就業規則や活動内容と合致していなければ、そもそも認められないということもあります。協力隊の受け入れに慣れていない自治体もまだ多くあり、協力隊制度を設けても活躍の場を用意できずに、市役所の補助職員のような規則で縛ってしまう自治体があるのも事実。あくまで国の意図としては「地域で移住・定着して活躍してもらう」人材と機会を生むことにあるので、もし挑戦したいことがあって、それが地域のためにもなることであれば、受け入れ自治体に相談してみるのも手でしょう。例えば任期終了後の独立のために、副業を認めてほしいなど。

福島県の協力隊の成功事例

福島県で地域おこし協力隊を受け入れて成功しているところと言えば「西会津町」でしょう。西会津町の公式HPを見てみると、協力隊についてこんなことが書いてあります。

  1. 西会津町が地域おこし協力隊制度を導入したのは平成25年(2013年)から。
  2. 現在公開されているだけでも14名が着任している。

みさと

HPで紹介されている以前にも協力隊はいたはずだから、総勢だとかなりの人数になるね!
人口が6千人の西会津の規模感から言っても、すごい人数だと思う。

あきら

ちなみに…あきらの高校の同級生も西会津でゲストハウスを運営していて、彼女も元・地域おこし協力隊です!

みさと

西会津って、「西会津国際芸術村」を中心にクリエイターや芸術家が活躍できる場を提供してきた感じがあるよね。定着している人たちも自力で何か作り出せるスペシャリストが多い印象。

地域おこし協力隊の課題

これもあくまで私見ですが、この10年の間に会った地域おこし協力隊や、受け入れ地域で見聞きした経験をもとに、協力隊制度が抱える現状の課題を洗い出してみようと思います。

協力隊制度の課題?

  1. 志望者と受け入れ自治体のミスマッチ
    既述ですが、「こうゆうことをやりたい」という志望者と「こうゆうことをやってほしい」という自治体のミスマッチが多くあるように思います。というか、自治体の方がまだまだ制度を上手く活用できていない印象。
  2. 「何となく来た」と「何となく受け入れた」の妙なマッチング
    1とは真逆で、「何となく地方に来てみました」という志望者「なんとなく受けれいてみました」という自治体同士の意欲のないマッチング。これが意外と多いんです。お給料税金なんですけどね…苦笑。
  3. 受入れ人数と定着人数だけにこだわる歪んだ評価
    「〇人受入れました!」とか「定着率〇パーセント」などと声高に結果を語る自治体や中間支援団体もありますが、データだけでは実際に協力隊が活躍できているのか、本当に地域の人のためになっているのか見えにくいところです。

みさと

残念ながら、私たちの身近にもこうゆう事例が見受けられるよね…。

あきら

特に震災後の福島では、協力隊と地域住民との軋轢が生まれてしまったという話もよく聞いたよね。

地域おこし協力隊として活躍するために

協力隊として活動したことのない私たちが言うのもなんですが…苦笑。これらのことをまとめて、「こんなやり方なら上手くいきそうかも!」というアイディアを書いてみます◎

協力隊として活躍するためのTIPS

  1. 受入れ自治体とのミスマッチを事前に解消
    重複になりますが、受け入れ先の自治体と「待遇・条件・活動内容」を事前にすり合わせておくことが何より大切です。
  2. 地域のキーパーソンと繋がる
    実際に活動をはじめたら、地域のキーパーソンと繋がることをお勧めします。農業・観光・伝統産業 etc. それぞれの分野の重鎮と若手の両方とお付き合いできれば、バランスよく情報を得られるかと思います。
  3. 思い込みで地方に乗り込まない
    これも繰り返しになりますが「田舎だから人が良い」や「地方だから遅れてる」などの思い込みで移住はしてはいけません。悪い意味でのギャップや地域住民との軋轢も生みかねません。
  4. 地域で食べていくのは、都会より大変だと知っておく
    人口が多い都会に比べると地方の市場はどの分野においても小さいです。ということニーズの母数が少なく稼ぎにくいということ。まずは市場の掘り起こしから、という気概が必要になることが多いです。
  5. 任期後のビジョンも持っておくとベター
    「ものすごく明確に」というわけでなくとも、協力隊の任期を終えた後のビジョンも持っておくと、活動の指針を決めるのに役立ちます。3年間は意外とあっという間です。

みさと

あー今回も偉そうなこと書いた(笑)!でも、せっかく希望を持って地方に来てくれる協力隊を、私たち市民も気持ちよく受け入れたいよね!
須賀川の協力隊の今後にも期待だね◎

あきら

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