過疎って本当に問題か?5年先の過疎地の未来を考える夫婦のメモ

過疎って本当に問題か?5年先の過疎地の未来を考えるとある夫婦のメモ

2022年の秋ごろから年明けの2023年1月末まで、夫のあきらは事業構想大学院なるものに通い、ほぼ毎週末を学びの時間に充てていました。無事に全講義の受講が終わり、無事に修了することができたので、ここにその時のプレゼンテーションを一部抜粋して記録しておこうと思います!

あきら

仕事とゲストハウスをしながらの受講は大変だった!けど沢山の学びと発見があったので、ぜひ皆さんにも共有させてください!

「過疎」って、本当に問題か?

突然ですが、皆さんは「過疎」についてどれほどご存じでしょうか?
過疎地域については、「過疎地域の持続的発展に関する特別措置法」(いわゆる過疎法)によってきちんと定義されており、ざっくりと以下ような言葉でまとめられています。

過疎地域においては、人口の減少、少子高齢化の進展等他の地域と比較して厳しい社会経済情勢が長期にわたり継続しており(以下略)

過疎地を定義した上で、さらに具体的に以下の点を喫緊の課題として挙げています。

  1. 地域社会を担う人材の確保
  2. 地域経済の活性化
  3. 情報化
  4. 交通の機能の確保及び向上
  5. 医療提供体制の確保
  6. 教育環境の整備
  7. 集落の維持及び活性化
  8. 農地、森林等の適正な管理

みさと

喫緊の課題だらけ!

あきら

僕たちの住む須賀川市岩瀬地区も、過疎地の指定要件である『過去25年間の人口減少率が23%以上、財政力指数が0.64以下』に当てはまって、昨年2022年4月に一部過疎の認定を受けたんだよね。

さらに岩瀬地区の人口分布をグラフで見てみると…

あきら

人口のボリュームゾーンが55~75歳になっているのが分かるよね。つまり、あと20年後には人口減少が一気に進むことが明らかということ。今が、何か手を打つ最後のチャンス。

が、しかし!
人口が増えれば過疎地域の問題が解決するのでしょうか?

過疎の問題の奥にあるのは、「深い諦め」?

過疎が問題の本質でないとしたら、いったい何が問題なのでしょうか?ここからはそのことについて考えていきます。
ある課題について考えるとき、「システム思考」という考え方を用いる場合があります。システム思考では、今起きている現象は氷山の一角であると捉えて考えます。そうして考えてみると、「過疎」や「人口流出」は単なる現象(結果)で、それを起こす行動パターンがあることに気がつきます。この行動パターンは構造によって起こされていて、この構造の根本には人々の意識や無意識があると考えます。

あきら

ちょっと分かりづらいと思うので、図にしてみますね!

システム思考でとらえた過疎問題

つまりは無意識のうちにある、地域住民の「深い諦め」がそもそもの根本原因としてある、ということだね!

みさと

あきら

その通り。これはあくまで僕らの仮説だけど、でも「ここにはなんにもねぇ」とか「農家は継がせらんに」とかの地元住民のネガティブな言葉はよく聞くよね。

深い諦めを、どう解消していくか

「ここにはなんにもない」「都会で上手くいかなくて戻ってきたのか」などの、地元に暮らすことの後ろ向きな住民の評価は、岩瀬地区以外の地方でもよく聞かれるのではないでしょうか?つまりこれは、地元に暮らす住民自体が、その土地の良さや魅力に気づいていないということになります。自分たちから見たらなんでもない物や光景も、外から来た人にとっては新鮮に感じる場合もたくさんあるのです。

あきら

この「ここには何にもない問題」は、『ジョハリの窓』を使って整理してみると解決への糸口が見えるかも◎

みさと

自分(地元住民)は知ってるけど、他人(外から来た人)は知らない魅力、他人は知っているけど自分は気づけてない魅力がそれぞれあるとしたら、それらを合わせられたらいいね!
そう。そのために「中と外の人をつなぐ」場や機会が必要になるんだよね。そうやって地域内外の人が関わりあって魅力を伝えあううちに、少しずつ地域住民の“深い諦め”も和らいでいくと思うんだ。例えば、僕が勤めていた前職の『Food Camp』事業は、その良い例だったと思うな。

あきら

 

佐藤夫妻の既存事業と次のステップ

「地域内外の人が交流できるリアルな場」をつくればいい…。口で言うのは簡単ですが、実際にどんな場が岩瀬地区にあれば、地域の人も外から来た人も喜んでくれるのか?そのことは慎重に考えなければなりません。
手当たり次第に新しいことを始める前に、まず現時点で私たち夫婦が取り組んでいる事業について見直してみることにします。

1)ゲストハウス事業
岩瀬地区にある築40年の一軒家を改装し、一日一組限定の宿としてオープンさせた『guesthouse Nafsha』。“旅と暮らしの間”を感じる宿として、消費型の観光とは違う、福島での暮らしをリアルに感じられるような体験を提供します。

guesthouse Nafsha

 

2)Webメディア運営
福島発のエシカル系Webメディア『ff 私たちの交換日記』では、震災によって全ての前提が揺らいだ福島だからこそ発信できる「衣食住美」に関する情報を発信。困難に向き合う強さと、それらを受け入れて前を向いていく柔らかさのある福島の人たちを伝えています。

みさと

こうやって見てみると、ゲストハウスは「外から来る人」向けWebメディアは地域内外に届くけどリアルの場ではない、ということになるね。
そうだね。先の『ジョハリの窓』を踏まえると、「地域内外の人が交流できるリアルな場」は満たしていないね。これが次の事業の課題かな。

あきら

みさと

地域内外の人が交流できるリアルな場!うわ~どんなことができるだろう!考えるのだけでも楽しい…!
考えるだけじゃなくて、きちんと事業にしていこうね(ぴしゃり)。

あきら

みさと

ふぁい!

 

・・・ということで、過疎地に住む佐藤夫妻の次なる挑戦も、ぼちぼち始まりそうです。
こうご期待!

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