引っ越し前に遠く離れた土地の物件を探すのは、移住する上で一番初めに立ちはだかる壁。私たちも現在の物件に出会うのに約半年かかりました。ここでは私たちが実際にした物件探しの方法をご紹介します。
あきら
ネット検索
一番先に思いつくのが、このネット検索ですよね。ただし地方の場合、大手の不動産会社の物件サイトには上がっていない、地元の不動産だけが持っている情報(しかもネットにも載せていない)がたくさんあるな、と感じています。「駅前〇分」とか「〇平米」などの人気の検索条件であればネットでも見つけることができるかもしれませんが、一軒家賃貸やリノベに向いていそうな中古物件などちょっと変わり種の情報は、ほぼ現地で見つけるしかないのが現状です。
メリット
- 駅前や大型マンションなどの人気条件で物件を探せる。
- 大手不動産会社のネットでも見れるで、現地に行かなくとも探せる。
デメリット
- 地元の情報にリーチしずらいため、得られる情報に限りがある。
- 中古物件や一軒家賃貸など、地元ならではの面白い物件に出合うことは難しい。
みさと
知人の紹介
移住物語でも書いたのですが、私たちの物件探しは知人の紹介から始まりました。「移住を考えている」と地域の知り合いに伝えておくと、物件情報を提供してくれることが意外とあります。「親戚のおじちゃんが住んでたんだけど、亡くなってから住み手がいないんだよね」とか、「知り合いの家が空いてるって言ってたよ」とか、ローカルなつながりだから知れる情報ばかり。地方ほど過疎化で空き家が多いのは確かで、だけどその情報はまだまだ地域住民の中に眠っているのだなと実感しました。
メリット
- 地域住民しか知らない情報を得ることができる。
- 知り合いの紹介の信頼度が地方では高いので、貸してもらいやすい。
デメリット
- 地域に知り合いがいないと難しい。
- 知り合いという関係性そのものが、しがらみになってしまう時もある。
あきら
足で稼ぐ
文字通り、「足で情報を稼ぐ」方法。実際に私たちも狙っているエリアを歩いて、良さそうな空き物件に目星をつけたりしました。前にも書いた通り地方ではネットに上がっていない物件がたくさんあるので、このやり方でも打率は高かったように思います。目ぼしい物件が「賃貸募集中」の看板を掲げていたら、即連絡です。
メリット
- ネットにも載っていない物件に出合える可能性がある。
- 近くに知り合いがいると、意外と紹介してもらえる場合もある。
デメリット
- 現地に行かなければならない。
- ネットや紹介よりは見つけられる可能性は低い。
みさと
地元の不動産
大手が持っていない情報を地元密着の不動産会社が持っていることは多々あります。ですが私たちの場合、相談した不動産会社が協力的とは言えず、がっかりな体験となってしまいました。おそらく「ゲストハウスができる物件」という条件を提示していたので、そのあたりに不安を感じたのかもしれません。ここはいかに協力的な不動産屋と出会えるかが要となります。
メリット
- 地元の不動産屋ならではの情報を得ることができる。
- 地の利があるので、細かな要望をくみ取ってくれる可能性がある。
デメリット
- 地方では一般的な賃貸以外の使用用途(民泊や事務所利用)への理解が進んでいないので、見つけるに時間がかかる可能性も高い。
あきら
移住相談窓口
国も地方移住には力を入れているので、どの都道府県にも「移住相談窓口」があります。代表的なところで言うと「ふるさと回帰支援センター」でしょう。東京の有楽町事務所に担当職員が常駐しているので、移住に関する相談ごとはここでまるっと聞いてくれます(私たちは使ったことがないので詳細は分からないのですが…)。
メリット
- 物件だけでなく、仕事や補助金などの相談にも乗ってくれる。
- 空き家バンクにアクセスしやすく、中古物件の情報を手に入れやすい。
デメリット
- 行政運営が多いので、扱う情報に限りや偏りがある可能性が高い。
- 窓口が行政でも実務が民間の場合、コミュニケーションのズレが生まれやすい。
みさと
地元の信用金庫
移住してから知ったのですが、地元の信用金庫もしくは地方銀行は、その地域全体が活性することを目的としているので、お金だけでなくビジネス支援や物件紹介などもしてくれる場合があります。私たちはゲストハウスのリノベーションの資金繰り相談で行ったのですが、今後の展望を話している中で「気になる物件があったら言ってください。調べられるかもしれないので」とって言っていただけました。信金さんの方針や担当者にもよると思いますが、行き詰ったら相談してみるのも手かもしれません。
メリット
- 信金ならではのネットワークで、確度の高い情報を手に入れられる。
- 物件だけでなく、事業計画や資金繰りなども含めた相談ができる。
デメリット
- 物件探しだけで相談するのは難しい(融資や事業相談と併せる必要がある)。
- 移住後に住民票を移してからでないと相談できない場合もある。
あきら
まとめ
地方の物件は、現地でしか知れない情報が圧倒的に多いのが現状です。地元の不動産屋がWeb掲載にあまり力を入れておらず、あくまで対面相談をメインにしているというのも大きな要因かと思います。そしてこの「Web上に情報がない現象」は、物件に限ったことでなく、仕事探しやコミュニティづくりにおいても表れています。物件は移住に置いての重要な一歩。本気で探したい時は地元に信頼できる人とのつながりをつくるか、年単位でじっくりと探すことを念頭にするのが良さそうです。